千円札

母親に頼まれて近所のスーパーで買い物をした。総額、数百円。
母親から預かった１万円を精算機に入れ、お釣りとして９千円と硬貨が出てきた。
自宅に帰ってから、母親にお釣りを渡す時、変な模様の千円札が１枚混ざっているのに気が付いた。
端っこに小さくメモみたいな字が書かれたお札を目にしたことがあったが、大々的に堂々とした文字が書かれたのを見たのは初めてだ。

スーパーで気が付いていれば、その場で取り替えられただろう。
が、いったん自宅に帰ってしまい、スーパーでお釣りとしてもらったという証拠がないので、取り替えてもらうのは難しい。
レアなお札としてコレクションするほど、心も懐も余裕がない。

翌日、銀行の窓口で交換を依頼した。
紙幣交換の申請書を書くように言われて、住所や氏名、金額、理由などを書いて出した。
窓口のバックヤードで、行員が２人で相談してから、戻ってきた。
数字部分が消されているので、日銀での鑑定が必要で、鑑定をクリアしたら、口座に千円を振り込むと言う。

当日は千円札を預けて銀行を後にした。
４日後、銀行から電話で鑑定がＯＫだったので千円を振り込んだ旨の連絡があった。
やれやれ。
それにしても世の中、変な人がいるもんだ。